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死亡保険はいくら必要?

年代別・家族構成別の理想的な生命保険保障額ガイド

皆さんは生命保険の保障額について、本当に必要な金額を知っていますか?多くの方が「なんとなく」で加入してしまい、後になって「保障が足りない」「払いすぎている」と感じることがあります。本記事では、各年代・家族構成別に最適な生命保険の必要保障額について詳しく解説します。

生命保険の必要保障額とは何か

生命保険の必要保障額とは、万が一のときに残された家族が経済的に困らないために必要な金額のことです。これは単に「高ければ良い」というものではなく、家族構成やライフステージによって大きく変わります。

必要保障額は主に以下の要素から計算されます:

  1. 遺族の生活費
  2. 子どもの教育費
  3. 住宅ローンなどの債務返済
  4. 葬儀費用

それでは、年代別・家族構成別に見ていきましょう。

20代独身の場合

20代の独身者にとって、生命保険はそれほど優先度が高くないケースが多いです。ただし、以下のような状況では検討する価値があります。

必要保障額の目安:500万円〜1,000万円

親に扶養されている場合
親の扶養下にある場合、生命保険の必要性は低いでしょう。ただし、葬儀費用(約200万円)と、親への感謝の気持ちとして500万円程度の保障があると安心です。

実家の親を経済的に支援している場合
親の生活を支えている場合は、親の余命を考慮した生活費(月15万円×必要年数)に加え、葬儀費用を合わせた金額が必要になります。

一人暮らしで負債がある場合
奨学金や自動車ローンなどの負債がある場合、その返済額に葬儀費用を加えた額が目安となります。

20代独身者におすすめの保険タイプは、掛け金が安い「定期保険」です。また、医療保険や就業不能保険なども検討する価値があります。

30代前半の新婚夫婦(子どもなし)

30代前半の新婚夫婦の場合、お互いの収入状況によって必要保障額が変わります。

必要保障額の目安:1,000万円〜2,000万円

共働きで収入が同程度の場合
お互いが経済的に自立している場合、必要保障額は比較的低めです。住宅ローンがあればその残債、葬儀費用、そして配偶者が新しい生活に適応するまでの期間(1〜2年分)の生活費を合計した金額が目安となります。

片方の収入が主な場合
主な収入源となっている配偶者の保障額は高めに設定する必要があります。具体的には:

  • 住宅ローン残高(例:2,500万円)
  • 残された配偶者の再就職までの生活費(月20万円×24ヶ月=480万円)
  • 葬儀費用(約200万円)

これらを合計すると、約3,200万円程度が必要になります。

30代後半〜40代前半の子育て世帯

この年代は、生命保険の必要保障額が最も高くなる時期です。特に子どもが小さい場合、教育費用も考慮する必要があります。

必要保障額の目安:3,000万円〜5,000万円

30代後半、子ども1人(幼児)の場合

  • 住宅ローン残高(例:3,000万円)
  • 配偶者の就労不能期間の生活費(月25万円×36ヶ月=900万円)
  • 子どもの教育費(幼稚園から大学まで約1,500万円)
  • 葬儀費用(約200万円)

合計すると約5,600万円が必要です。

40代前半、子ども2人(小学生と幼児)の場合

  • 住宅ローン残高(例:2,500万円)
  • 配偶者の就労不能期間の生活費(月30万円×36ヶ月=1,080万円)
  • 子ども2人の教育費(約3,000万円)
  • 葬儀費用(約200万円)

合計すると約6,800万円が必要となります。

この年代では、定期保険に加え、収入保障保険も検討する価値があります。収入保障保険は月々一定額が支払われるため、生活費の補填に適しています。

40代後半〜50代前半の教育費負担期

子どもが成長し、教育費の負担が大きくなる時期です。一方で住宅ローンの残高は減少している可能性があります。

必要保障額の目安:2,500万円〜4,000万円

40代後半、子ども2人(中学生と小学生)の場合

  • 住宅ローン残高(例:1,800万円)
  • 配偶者の就労不能期間の生活費(月30万円×24ヶ月=720万円)
  • 子ども2人の残りの教育費(約2,000万円)
  • 葬儀費用(約200万円)

合計すると約4,720万円が必要です。

50代前半、子ども2人(大学生と高校生)の場合

  • 住宅ローン残高(例:1,000万円)
  • 配偶者の就労不能期間の生活費(月30万円×24ヶ月=720万円)
  • 子ども2人の残りの教育費(約1,500万円)
  • 葬儀費用(約200万円)

合計すると約3,420万円が必要となります。

この年代では、子どもの進学状況や配偶者の就労状況を考慮して、保障額を適宜見直すことが重要です。また、医療保障や介護保障も検討し始める時期です。

50代後半〜60代のシニア世代

子どもが独立し、住宅ローンも完済に近づくこの時期は、生命保険の必要保障額は減少します。

必要保障額の目安:1,000万円〜2,000万円

50代後半、子どもが独立した夫婦の場合

  • 住宅ローン残高(例:500万円)
  • 配偶者の老後生活資金の補填(約1,000万円)
  • 葬儀費用(約200万円)

合計すると約1,700万円が必要です。

60代、退職後の夫婦の場合

  • 配偶者の老後生活資金の補填(約1,000万円)
  • 葬儀費用(約200万円)

合計すると約1,200万円が必要となります。

この年代では、生命保険よりも医療保険や介護保険の重要性が高まります。また、貯蓄型の保険から掛け捨て型に切り替えることで、保険料の負担を軽減できる場合があります。

シングルペアレントの場合の特別な考慮点

シングルペアレントの場合は、子どもの将来を考えた保障設計が特に重要です。

必要保障額の目安:子ども1人につき2,000万円〜3,000万円を追加

30代、子ども1人(小学生)のシングルマザー/ファザーの場合

  • 住宅ローンまたは家賃の将来支払い(例:2,000万円)
  • 子どもの教育費(約1,500万円)
  • 子どもの生活費(月15万円×成人まで=約1,800万円)
  • 子どもの保護者となる方への支援金(約500万円)
  • 葬儀費用(約200万円)

合計すると約6,000万円が必要となります。

シングルペアレントの場合、保険料の負担も大きくなるため、公的保障制度(遺族基礎年金など)も含めた総合的な保障設計が重要です。また、信頼できる保護者の指定や生命保険金の受取方法(信託など)も検討すべきです。

共働き世帯の最適な保障設計

共働き世帯の場合、夫婦それぞれの収入バランスによって保障設計が変わります。

必要保障額の目安:主たる収入者3,000万円〜、第二収入者1,000万円〜

収入がほぼ同等の場合
両方とも同程度の保障を持つことが理想的です。それぞれ:

  • 住宅ローン残高の半分
  • 子どもの教育費の半分
  • 家族の生活費(約1年分)
  • 葬儀費用

収入に大きな差がある場合
収入の多い方は上記の計算通り、収入の少ない方は以下を考慮:

  • 自身の収入が途絶えた場合の家計への影響度
  • 家事や育児の経済的価値(これを代行するサービスにかかる費用)
  • 葬儀費用

例えば、年収800万円の夫と年収300万円の妻、子ども2人(小学生)の家庭の場合:

  • 夫の必要保障額:約5,000万円
  • 妻の必要保障額:約2,000万円

自営業者・経営者の保障設計

自営業者や経営者は一般のサラリーマン家庭とは異なる保障設計が必要です。

必要保障額の目安:個人生活保障3,000万円〜+事業保障

個人としての保障
前述の家族構成別の金額に加え、以下を考慮:

  • 事業の整理にかかる費用
  • 事業借入金の個人保証分
  • 従業員への退職金など

事業継続のための保障
事業を継続させる場合:

  • 後継者育成期間中の運転資金
  • 取引先の信用維持のための資金
  • 事業承継税制を利用する場合の納税資金

例えば、年商5,000万円の個人事業主(40代、配偶者と子ども2人)の場合:

  • 個人生活保障:約5,000万円
  • 事業保障:約2,000万円〜3,000万円

合計で7,000万円〜8,000万円の保障が必要となることもあります。

必要保障額を効率的に確保する方法

必要保障額が明確になったら、それを効率的に確保する方法を考えましょう。

1. 公的保障と民間保険を組み合わせる

公的保障(遺族年金など)と民間の生命保険を適切に組み合わせることで、保険料の負担を抑えつつ必要な保障を確保できます。例えば:

  • 遺族基礎年金:子どもが18歳になるまで(障害がある場合20歳まで)支給
  • 遺族厚生年金:被保険者の死亡時の年齢や加入期間によって支給額が変動

これらの公的保障で月々約10万円〜15万円程度が支給される場合、その分を必要保障額から差し引くことができます。

2. 複数の保険商品を組み合わせる

一つの保険商品ですべてをカバーするのではなく、複数の商品を組み合わせることで効率化できます:

  • 定期保険:保障期間が限定され、掛け金が安い
  • 収入保障保険:月々一定額が支払われるため、生活費の補填に適している
  • 終身保険:一生涯の保障だが、掛け金は高め

例えば、40代の子育て世帯なら:

  • 住宅ローン返済用:団体信用生命保険
  • 生活費と教育費:収入保障保険(月30万円×15年)
  • 葬儀費用など:終身保険(300万円)

3. 保険の見直しタイミング

生命保険は一度加入したらそのままではなく、ライフステージの変化に合わせて見直すことが重要です:

  • 結婚時
  • 子どもの誕生時
  • 住宅購入時
  • 子どもの進学時
  • 子どもの独立時
  • 退職時

特に、子どもが独立した後は必要保障額が大きく減少するため、保険料の無駄遣いを避けるためにも見直しは必須です。

まとめ:あなたに最適な保障額を見つけるために

生命保険の必要保障額は、年齢や家族構成、収入状況などによって大きく異なります。本記事で紹介した金額はあくまで目安であり、実際には以下のステップで個別に検討することをおすすめします:

  1. 家族の状況(年齢、人数、収入源など)を整理する
  2. 必要経費(生活費、教育費、住宅ローンなど)を計算する
  3. 公的保障制度からの給付見込み額を確認する
  4. 上記を差し引いた金額を民間保険でカバーする

また、生命保険は「もしも」のための備えであり、その保障額は「残された家族が経済的に困らない最低限の金額」という視点で考えることが大切です。過剰な保障は家計の負担となり、逆に将来の資産形成を阻害する可能性もあります。

生命保険の選択は、家族の将来に関わる重要な決断です。本記事を参考に、ご自身の状況に合った最適な保障設計を行ってください。より詳しいアドバイスが必要な場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することもおすすめします。

あなたとあなたの大切な家族が、安心して暮らせる未来のために、今一度生命保険の保障額を見直してみてはいかがでしょうか。​​​​​​​​​​​​​​​​

著者プロフィール
この記事を書いた人
保険太郎

FP1級ファイナンシャルプランナーの保険太郎です。複雑な保険の世界を、わかりやすく、あなたの人生に寄り添うナビゲーターとしてサポートします。

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